死にたくなる気持ち

夜空を見上げたら星が綺麗に見えた。東京でも星は見える、田舎の地元と変わらない。と言っても地元にはもう何年も帰ってないから、記憶違いかもしれない。


時たま、死にたくなる。
死にたい、と思ったのは小学生の時から。
とにかく親との折り合いが悪く、家庭不和だった。金銭的にも裕福ではなく、親自体、社会性も低かった。
生まれてこなければ良かった、死にたい、そんな気持ちを抱えて真夜中の田舎道を歩いたり、窓から遠く見える道路の向こうを眺めてた。この家を出れば、きっと楽しく生きられるんじゃないかと思ってた。

子供がいたら、夫がいたら、彼氏がいたら、私に恋い焦がれる誰かがいたら、お互いの家を行き来するような女友達がいたら、いつでも帰れるような実家があれば、死にたくなくなるんだろうか。

鬱でもない。精神科に通ったこともない。だけれども、死にたくなる。外に出ると自分が知らない幸せの匂いが溢れている。平気な顔をして通りすぎるけれど、どれもこれも、私をぎゅっとさせてくる。

目の前に、これを飲めば眠るように死ねます、という薬があったら飲んでしまいたい、そんな気持ちだ。
友達と会う予定も、少し気になる人と会える予定も、好きなアーティストのライブも、私が生きるための支えにはならない。死への恐怖、正確には死ぬまでの苦しさや痛みへの恐怖だけが、私の生きる理由だ。

周りにいる誰にもこんなこと言ったことはないけれど、私は時たまとてつもなく死にたくなる。
あの物書きが、あのアーティストが死んでしまった気持ちが何となくわかる。
生身の愛が、手のひらに無いからだ。